ONE RIVER振り返りコラム2ページ目です。前編はこちらからご覧いただけます。
【ONE RIVERってなんだろう?を考える①】”ONE RIVERのこれまで”と今後の展望について|発足に至るまで

印象的なこと・スイッチ・転機について

ONE RIVERが発足されて5年。もう一歩掘り下げてみて、その中でどんな活動が印象的だったのか、自分ごととして捉えた転機について、伺ってみます。

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岩ヶ谷:なかなか一つを選ぶのは難しいですが、あげるとすると『殿橋テラス〜River Port Village〜』ですね。2021年の5月からにONE RIVERの活動が始まって、1年もまだ経ってない春にいきなり市から活用事業の公募が発表されて、当時まだりたに在籍させてもらっていましたが驚いたことを覚えています。

天野:その時、まだりたににいたんでしたね。


2022年『殿橋テラス〜River Port Village〜』


川の拠点として様々な過ごし方が生まれていました


岩ヶ谷:いました。殿橋テラスについては誰かに言われたわけじゃないし、お願いされたわけでもないけど、”自分たちがやらなきゃいけないっていう不思議な衝動(使命感)に駆られて”、提案書や作戦も含めて短い時間でぐーっと色々詰めて動いて、形にした記憶があります。それらを踏まえて場ができた時に、これまでにあと一歩やりきれなかったこととか、こうした方が良かったっていうことを、一度全部吐き出すことができたんですよね。そういう意味で、あの時に1つ僕らが作りたい”川の拠点”みたいなのを生み出したってのは印象的な部分ですね。


天野:具体的には、なにをやりきれなかったことがあったの?

岩ヶ谷:仮設時代の『殿橋テラス』(過去のプロジェクト)って、川の拠点をどうするかっていうよりかは、もう少し違う問題があったし、それらに如何に向き合うかが大きかったんですよね。当時も拠点のなかで木材(市産材)をもっと使うこととか、その場でアクティビティ等の受付機能ができることとか、そこに行くと川で今日誰が何やってるかって情報が得れることとか、もう少し川の拠点としての多角的な機能みたいなものとか、意味合いとか、場所の性格性ってあるだろうなと思ったんですけど、仮設時代の『殿橋テラス』って、それらをインストールするのが結構難しかった。すでに出店していただいているお店(場所)に僕が無理やり、それをインストールしようとすると、ハレーションすることがちょいちょいあったので。コミュニケーションのやり取りの中で川の拠点のあり方とか、どういう風にしていきたいかみたいなのをずっと考えてたんで、それを1回あそこで形にしたっていうのは印象的でしたね。

天野:確かに拠点としての面白さみたいなものがありましたよね。みんながちょっと集まってね。

岩ヶ谷:おもしろかったですね。


山田:自分は『となりの田んぼ』ですね。それまでは岩ヶ谷さんのプロジェクトを実装するみたいな、責任はやっぱり岩ヶ谷さんが持っていて。なので、なんで稲作体験やるとかそういうのは全然覚えてないですけど、プロジェクトが爆誕した瞬間はちょっと覚えてて。自分でそのチラシを作って、募集を始めるみたいなところからやったんで、結構自分のプロジェクトみたいな感覚があって。

岩ヶ谷:じつは『となりの田んぼ』のロゴ、山田さんが作ってるんですよね。

山田:何時間もかけて、チラシも作って。でもその前から下山には通っていて、下山でなにかやれたらなっていうのはありました。

天野:てっちゃん(山田さん)の関わりみたいなので転機だと思うけど、テーマ的な「農」とか「食」みたいなところの、乙川の中でも「食」は前からあったかもしれないけど、どっちかっていうと「木」とか「水」とか。そういうテーマ的な新しさみたいなものが『となりの田んぼ』にはあるなって。川というものが、農業とか食みたいなものにダイレクトに結びつくっていう。

岩ヶ谷:当時の山田さんは、川につなげようとかは思っていなかったと思う。下山のプロジェクトで体験農園をやっていかないといけないっていう使命感はあったと思うけど。

山田:はい。岩ヶ谷さんのなかで”田んぼをやることの意味”みたいなものは見えてた感じはあるんですけど、自分はあんまり見えていなくて。名前が「山田」っていうんで、上流で田んぼやるってことかな(笑)ぐらいの感覚でしたけど、今となれば田んぼの持つ機能が川とつながっていると思えるようにはなりましたが。

天野:川がどうこうというより、どちらかというと本当に「これは自分のプロジェクトだ」って思えたっていうのがよかったということですね。


2023年『となりの田んぼ』


『となりの田んぼ』のロゴ


加藤:山田さんがおっしゃっていた下流域から上流域に活動エリアや思想がどんどん拡大してったっていうのは『いったーんプロジェクト』とかが転機になってるのかなと思いました。

天野:あぁ、なるほど。

石原:あとは、イベントの中でで割と自分たちのコンテンツみたいなのを作り出したことも変化っていうか。出店してもらうだけじゃなくて、トークイベント(乙川ふむふむトーク)をはじめとしたONE RIVERプログラム的なものをやってますよね。自分たちの発信を始めたっていうか、編集を入れ始めたっていうか。そういうことも転機だったと思いますね。


2020年『川ぐらし』で行われたトークイベント


2021年『川ぐらし』では額田の山のフィールドワークの様子の展示


2022年『川あそび』で行ったONE RIVER縁日


2022年『川ぐらし』で行ったヒノキと杉の違いを見分けるプログラム


天野:『川ぐらし』はそういう意味では、その後の「ふむふむ博物館」につながるようないろんなコンテンツが生み出されたのが2019年〜2021年みたいな時だったかもしれないですね。



西村:コロナ以降にONE RIVERの活動に参加してるんですけど、やっぱコロナを通してみた時に、自分の中では都市に住むことだったり、自然とはなんぞやというか、それまでの不自然な暮らしみたいなのが今思うとあったのかなって。ONE RIVERに入る前と入る後で全然違うなって思うのは、考え方というか、生き方というか精神性というか、哲学的なものをインストールしてる感がありまして。

天野:というと?

西村:ONE RIVERの考え方を、よりストレートに今までは遠いとこから見てたのが、自分がそこの中に入ることによって、自然というか不自然なものから距離を置く暮らしというか。そんなことを意識するようになった気がします。

天野:ONE RIVER的な考え方ってどういったこと?

西村:自分のまわりにも東京で働きたいと思う人がたくさんいる中で、あんまりその気持ちはないなと思ってましたし、だからといって虫が取りたいとか、魚に触れたいとかそういうのがある訳ではないんですけど。“無理のない暮らし方”なんですかね。ONE RIVERを返した自己表現ができてる感覚が今あるのと、ONE RIVERから受けたものを「西村」っていうフィルターを通って、例えばお仕事だったり、名古屋の友達を岡崎に連れてきたり、そういうことができてるってのがすごい嬉しいなと思ってて。今の仕事に対して違和感が少ないというか、やってて自分に無理がないという感覚はあります。

天野:活動を通して印象的だったことでいうと?

西村:最近1番印象に残っていることでいうと、『リバークリーン』のイベントに名古屋の友人が参加してくれたことですね。自分が発信することで興味が持ってきてくれる人が増えてってくれてるってのは素直に嬉しいなと。『Let it Camp』にみんなで泊まりに来たりとか、桜城橋ふきに参加したりとか、リバークリーンとか、一緒にやる方が気持ち的にはいいなって思う。


2025年『おとがわリバークリーン イベント』


西村さんと名古屋の友人たち


天野:その話を聞いて思ったのは、自己表現みたいなものが自然にできるのって、乙川が自分のアイデンティティの1つになっているみたいな感覚があるような気がしていて。昔は別に自分のアイデンティティって乙川と関係なかったけど、今は自分のアイデンティティに乙川がなくてはならないものみたいな風になったなというのはすごい大きな変化だなと思います。そういう不自然でない自然を感じる暮らしみたいなものが自分の一部になってるみたいな感覚は確かに僕にもあるかもなって。

西村:乙川がとか、岡崎がっていうより、もっと僕の中では上のレイヤーな気がしていて、岡崎が自分のまちだとか、乙川が自分の場所だとかっていう感覚はまだそんなにないんですけど、ただその考え方を持っているということ自体は、自分のものになっているなという感覚があります。それは広島でも名古屋でも岡崎でも一緒で、大切な考え方をインストールしているなって思いますね。

岩ヶ谷:ちょっと話はずれるかもですが、ONE RIVERでいろいろとやっている時間の中で愛おしい時間というか、尊い時間というものはたしかにあって。今日は事務所内で一緒にプロジェクトを進めているメンバーがいますけど、ONE RIVERって、ここ以外にもボランティアで参加してくれている人とか、まちの中の諸先輩方がたくさんご一緒いただいていますよね。そんなみんなが集まった時に発生する。ある種の悪ノリ感。笑。みたいな雰囲気あるじゃないですか。いい意味でね。「これやっちゃえるよな、俺ら!」みたいな。あの瞬間の、根拠もないみんなの高揚感とか、生き生きしてる感じの時間ってすごい好きで、その時ってみんなが無理のないというか、みんなが自分でいられる瞬間な感じがするんですよね。そういう時間を少しでも作れたらいいなという思いでやってるんだなって。あらためて思いました。

天野:みんな最初は仕事で関わり始めたんだけど、自分事化(マイプロジェクト化)するっていうところが、ターニングポイントになってるっていうのが、ONE RIVERが始まってからでも共通点があるかなと思いますね。


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前田所感:転機として挙げられているのは、やはりみなさん自分ごととして考えられたプロジェクトなんだなと、お話を伺っていて感じ、そういった意味では、僕はまだONE RIVERのスタッフとして活動して日が浅いので、まだスイッチが入ったタイミングなのか掴めていないのかもしれません。ただ、『となりの田んぼ』『畑のつち曜日』など、自分にも役割の与えられたプロジェクトを担っている中で、自身が思い描いていたビジョンに類似した活動ができていることに、個人的にはとても有意義な時間を過ごせているなと感じます。これから自身の心情やONE RIVERの活動がどう変化していくのか、まだまだ経験が足りない中ですが、目の前の景色や人を掬って発信をしていけたらと思います。

3ページ目につづく(6月18日 公開予定)


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