【開催レポート】となりの田んぼに気づきや学びの夏来たる。かかしづくり&生き物観察/BBQ&田んぼの機能WSを実施しました!
5月17日(日)に実施した「田植え」から、早いもので3ヶ月が経ちました。今回は、9月に予定している「稲刈り」までの期間に実施したプログラム、「かかしづくり&生き物観察(7/26)」と、「BBQ&田んぼの機能を考えよう(8/9)」の様子をお届けします。
7月26日(日)「かかしづくり&生き物観察」
となりの田んぼ。第3回目のプログラムは「かかしづくりと生き物観察」です。このプログラムのねらいには、自らの手で植えた稲がどんな風に成長しているのか、またそこにはどんな生き物が暮らしているのかを観察を通して知ってもらうこと。また、かかしづくりを通じたものづくり・共同制作の楽しさに気づくことがあります。
この日はさっそく田んぼへ向かいます。稲の成長を見守りながら、田んぼの中やその周りにいる虫や鳥、動物たちをみんなで探しました。ヘビの抜け殻を見つけたり、ショウリョウバッタを捕まえたり。田んぼの周りに広がる豊かな生態系を、その身をもって感じる時間となりました。
田んぼでの観察を終えたら、さっそく観察シートにメモ。文字だけでなく、見つけた生き物のイラストを描いてくれるお子さんもいました。その後は、みんなでどんな生き物を見つけたのかを共有する時間です。
「アマガエルに、シオカラトンボに、アシナガグモに…トゲシラホシカメムシ⁉」
後から調べてみると、どうやら稲にとってはあまり良くない虫もいるようです。この日も、田んぼから新たな学びをもらいました。
知らない生き物に出会い、その場で名前を知ったり、調べてみたりする。そして、自分一人では見つけられなかったものを、誰かが見つけて教えてくれる。みんなで生き物観察に出かける醍醐味ですね。
「ここ最近は暑くなりすぎて、稲穂をつつきにくるスズメの数もずっと減っとる」
となりの田んぼでは、毎回、地域の方の声を聞く時間も設けています。今回も高木田さんより下山の田んぼと生き物の様子についてお話をしていだたきました。まちなかに暮らす私たちにとっては、普段なかなか知ることのできない、田んぼの変化や里山の環境のこと。この下山学区で長年お米をつくり続けてきた地域の方が、日々の営みのなかで感じていることに耳を傾ける時間も、このプログラムの大切な一部です。
生き物観察をしたあとは、いよいよかかしづくりです。現代のかかし自体には、お米を食べてしまう生き物から稲を守る効果はほとんどないとされています。では現代のかかしにはどんな役割があるのかを、かかしを作りながらみんなで考える時間も大切にしています。完成したかかしが田んぼならではの景観をつくり出し、この場所への愛着を持ってもらいたいと考えているためです。 さらにとなりの田んぼのかかしづくりでは、参加するご家族に「古着」を持ってきてもらい、それを使ってかかしをつくります。一つひとつの服やパーツに思い出があるように、それぞれが自分たちなりの想いを込めながら、かかしを完成させていきました。
制服かかし、半被かかし、ギャル風かかし。映画『ハウルの動く城』から飛び出してきたカブかかしに、漫画『暗殺教室』の殺せんせーかかしまで。
毎年、個性あふれるかかしたちが並びますが、今年もバラエティー豊かな顔ぶれがそろいました。完成後には、家族ごとにランウェイを歩きながら、制作したかかしの特徴を伝えながら歩く恒例行事「かかしファッションショー」も開催!会場は大いに盛り上がりました。
そして最後は、完成したかかしたちを田んぼへ設置。
「稲刈りまで、稲の見守りを頼んだぞ」
そんな気持ちで田んぼに立てたかかしたちは、鳥から稲を守るだけでなく、この里山の風景を彩る大切な存在でもあります。9月の稲刈りまで、どうぞよろしく!
8月9日(日)「BBQ&田んぼの機能を考えよう」
この日は、いつものプログラムとは少し違って午後からのスタート。楽しみなBBQを前に、まずは少しだけ頭を使って「田んぼの機能」について考えてみます。最初は、全9問の〇✕クイズ。「土砂崩壊防止機能」や「大気調節機能」、「伝統文化を保存する機能」など、田んぼが持っているさまざまな機能について、クイズを楽しみながら学びました。
そして、この日参加者に配られたのが、先ほどのクイズに登場した9つの機能をまとめたスペシャルグッズ「田んぼの機能カード」!これで、いつでも田んぼの機能を思い出すことができますね。
さて、クイズのあとは、このカードをアイデアのもとにしたポスターづくりへ。田んぼの機能を自分なりに解釈し、それを絵や言葉で表現して、ほかの人に伝えてみる。そんな「伝える力」を育む時間です。子どもたちの柔らかな発想から生まれるイラストや言葉には、思わず大人たちも「なるほど!」とハッとさせられる瞬間がありました。
夕方になると、待ちに待ったバーベキューの時間。「YAMABIKO感謝祭」と題して、地域のみなさんにもご参加いただき、最終的には100人を超える大所帯となりました!食材にも、地域とのつながりがたくさん詰まっています。地域産の炭、地域でつくられたお米「ミネアサヒ」、そして地域産の野菜をふんだんに使用。みんなで下山の恵みを味わいました。
そして今年も地域の方や参加者の声を届けるオリジナル企画「となりの田んぼラジオ」を開催しました!
参加者のみなさんには、事前に「下山のみなさんに聞きたいこと」という宿題を渡していました。お腹も少しずつ落ち着いてきたころ、中央に設けられた特設ラジオブースには、子どもたちの列ができました。
下山小学校の特徴である「小規模特認校」の話題や、差し入れでいただいた「梅味噌」のつくり方、田んぼに立つかかしへの素朴な疑問、普段の田んぼの管理作業など、子どもたちの興味から次々と話題が広がっていきます。
普段の暮らしのなかではなかなか聞くことのできない、地域のみなさんの経験や記憶。子どもたちがその話に耳を傾けることで、世代を越えた会話が生まれていました。
終盤、空には大きな虹がかかりました。田植えから3か月。ここまで無事に稲が育ち、たくさんの方と田んぼを囲む時間を重ねてこられたことに、運営としても少しほっとする瞬間でした。最後に虹までかかるなんて、稲刈りに向けて幸先のいい知らせのようにも感じます。
田んぼを舞台にしたさまざまな体験や発見を通して、家族とのコミュニケーションを深め、他の参加者に向けて自分たちの学びや気づきを発表する中で、子どもたちの主体性も育まれたのではないでしょうか。この夏の体験が、子どもたちにとって新しい発見と学びに満ちた、記憶に残るひと時となっていれば幸いです。
次回はいよいよ稲刈り。春にみんなで植えた苗が、どんな稲穂になっているのか。実りの季節を迎えるその日まで、田んぼを見守っていきたいと思います。